自分の成長とはうらはらに、会社の業績は右肩下がり
静岡県出身のPさん。
昔からモノづくりが好きだったこともあり、地元の工業高校を卒業した後、愛知県名古屋市内にある大学に入学し電気電子工学を学んだ。
その後、地元の静岡県には戻らず、大学時代での知識と知見が活かせる、愛知県のFA機器メーカーに入社した。
サービスエンジニアとして製造業向けの設備の資材発注、社内組立、電気工事、機械調整、据付設置なの業務をこなしつつ電気設計で図面の作成も経験することが出来た。
導入前のセールスエンジニアの仕事と違い、機器導入後のメンテナンスや作業員へのレクチャーなどの業務は顧客と密にやり取りをすることが多い業務ではあったが、Pさんは持ち前のコミュニケーション能力を発揮し顧客からの信頼を得る事が出来た。そして実績が認められ、大口顧客の担当も任せられるようになっていた。
しかし、会社の業績はPさんの成長とはうらはらに、右肩下がり。
大学を卒業して社会のことなど右も左もわからなかったPさんを受け入れてくれた大切な会社ではあったが、仕事量が激減していくことが目に見えてわかるようになり、やむなく会社を退くことになった。
その後もPさんは「モノづくり大国愛知県」での就業にこだわって、地元の静岡県に戻ることをしなかった。
Pさんが次に就職先として選んだ企業はプラント機器メーカーでの施工管理業務であった。
もともとサービスエンジニアとして、客先での作業に加え顧客との折衝を主業務として行ってきた為、工事の打ち合わせや作業員の手配、また図面作成の経験は施工管理職の業務と類似している点も多々あったことも転職の決め手になった。転職後も新しい会社、そして新しい仕事にすぐに馴染むことができた。
仕事が忙しすぎて疲れてしまった・・・
転職後、働き始めて2年が経過したある日、Pさんはあることに気が付いた。
それは休みが極端に少ないということだ。
入社当時、年間休日は110日程度だと先輩社員から聞いていたものの、実際には80日前後しかなかったのだ。さらに残業もほぼ毎日3時間以上。気が付けば、Pさんは体力的にも精神的にも疲弊しきっていた。
静岡にある実家にも帰省できておらず、当然家族も心配していた。
「仕事も大切だけど、健康でなければ良い仕事はできない。」
そう考えたPさんはこの忙しさを解消すること、静岡県の実家へ戻り、自分のキャリアをリセットすることを決め、再び転職活動することを考えるようになった。
「仕事が休めず面接に行けない」「20代で転職を繰り返す」こんな自分はどうしたら・・・
Pさんは転職に向けて本格的に動き出したが、活動するにあたり不安なことが2つあった。
ひとつは、在職中のまま転職活動をすることが困難であること。
Pさんが働いていた会社は休みが年間80日しかなく、忙しい会社であった為、有給休暇は取りづらい。
企業との面接になったとしても、Pさんの仕事は土日休みが基本で平日の日中に企業に訪問することはまず不可能。Pさんは特に忙しい部署で働いていた為、もちろん有給休暇は取りづらい。いっそ退職してから転職活動をしようかと思ったが、万が一転職先がすぐに決まらなかったら無職の期間が長くなることはPさんも望んではいなかった。
2つ目は、20代で転職を繰り返すことになってしまったことだ。
ひと昔前よりも転職が身近になりつつあり、キャリアアップの為に転職をする考え方が広まってきてはいるものの、日本社会にはまだ、「一つの会社で長く勤める」という考え方が美徳であり、そして、その人を評価するモノサシであるのもまた事実。20代で転職を繰り返えそうとしている自分を評価してくれる会社はあるのか? Pさんの不安は尽きない。
一人で考えていても問題や不安は解消されず、転職は諦めかけていた。
そんな時、転職エージェントの「みらい人材サポート」から求人サイトを通して1通のオファーメールが届いた。
その内容は「静岡県へのUターン転職をご支援します!貴方のキャリアと希望にマッチしたオススメ求人をご紹介し転職全体をサポートします!!」というものだった。
Pさんは体力的にも精神的にも疲れ、藁にもすがる思いで、みらい人材サポートに相談することにした。
キャリアアドバイザーと一緒に問題を解決する
初めて転職エージェントに登録することになり、面談では自分の経験や転職に関する希望をキャリアアドバイザーに伝えた。もちろん抱えている不安についても正直に話した。
すると、キャリアアドバイザーからは
「Pさんが抱えている不安を一緒に解消して、転職活動に挑みましょう」
意外な回答が。
そもそも平日の日中で採用面接に行くことは難しいだろうと考えていた為、この問題をどう解決すればいいのだろうか。
キャリアアドバイザーとの相談の結果、現職の仕事の都合を調整して休みが取れる環境をまずは整え、それから面接に行ける候補日を応募企業に相談する方法を実行することにした。
面接は応募企業から指定された日で必ず調整しなければならないと考えていたが、転職エージェントを通して相談ベースでこちらから日程を提案することで、企業との面接日の調整がスムーズに進むことがわかった。
次に20代で転職を繰り返してしまったことを応募企業に説明するにはどうしたらいいのかということについて、キャリアアドバイザーは以下の通りアドバイスをした。
・やむを得ない事情があって転職を決断したことを丁寧に説明する。
・異なる業界での経験から、広い視野で物事を考えられるスキルが身についたことをアピールする。
・経験職種は異なるが、一貫した親和性があり、専門的に培ってきた経験が応募企業の業務で活かせることを伝える。
転職エージェントに相談してPさん転職への不安な気持ちは軽減され、キャリアアドバイザーからのアドバイスを活かして面接に挑んだ結果、Pさんは見事、地元静岡県の自動車部品メーカーにて転職先を決定した。
転職先の企業は働き方改革に力を入れており、休みや労働時間など、社員の働きやすさを重視している企業であった為、地元に戻ったPさんは心も体も健康な状態で、生き生きと働いているそうだ。