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DXと製造業の可能性 現場の苦悩とその解決について

みらいキャリア編集者

DXと製造業の可能性 現場の苦悩とその解決についてAI、IoT、スマートファクトリー…テクノロジーを利用して業務改善を行う「DX」は、業種を問わず多くの現場で推進されるようになりました。特に今まで多くの人力を投入していた製造現場において、DX化が顕著に進められています。
しかし、「その道〇十年の頑固職人」がたくさんいる現場で、果たしてDX化はスムーズに行われるのでしょうか。今回は製造業現場のDX導入に際し、現場ではどのような混乱や反発が生じるのかという点を中心にお伝えします。実際に現場でのDX推進に立ち会った方の意見を基に作成しているため、大変有益な記事になっております。ぜひ最後までお付き合いください。

製造現場のDX導入

まずは製造現場のDX化について、概要を説明します。

製造現場のDX化の流れ

製造業の経営者がDX化に踏み切るのは、経営コンサルやシステム会社による提案がきっかけになることが多いです。「御社の課題は工場の生産効率が悪い点です。原因はシステムの老朽化です。新しいシステムを導入すれば、年間で1億円のコスト削減に繋がります。」のように、課題→原因→対策→数字の改善インパクトという流れでDX化が提案され、導入に至るのです。

DXはいいことだらけ?あまり語られない「現場の苦悩」

省人化や業務効率化を実現する、一見するといいことだらけのプロジェクトのようですね。しかし、あまり語られないのが「DX導入時に起こる混乱」です。
従業員からの反発のせいでなかなか思うように進まない、ひどい時にはボイコットが起きることもあります。DX化は、きらびやかな面ばかりがクローズアップされますが、泥臭い人間模様があることを忘れてはいけません。

ビジネスマンが苦悩しているイメージ

製造業現場のDX化推進時に起こる現場の混乱・反発

それでは、製造現場のDX化推進時に起こる現場の混乱・反発について、典型的な例を見ていきましょう。

高齢作業員がシステムを使いこなせない

まずは、「デジタルデバイド(情報格差)」問題です。高齢作業員はシステムを使いこなせないことが多いです。このため、複雑なシステムを導入しても現場では無用の長物に終わってしまう例もあります。

システムを導入しても使おうとしない

2つ目は、「使おうと思えば使えるが、使おうとしない」という例です。
「この道何十年の頑固職人」はルーティーン作業が好きで、新しいことを覚えたくない方が多く、新システムを導入しても使おうとしないのです。

省人化に伴う失職を恐れて抵抗する

3つ目は、「ロボットに仕事を奪われ、解雇されるのでは」という恐怖から反発する例です。省人化という言葉に過敏に反応し、疑心暗鬼に駆られた現場の抵抗が起きる事例も多いです。

現場の人間が苦悩しているイメージ

製造業現場のDX化推進時に起こる現場の混乱・反発の事例

それでは、実際にDX化を推進した現場で起きた混乱の事例を紹介します。

機械部品メーカーの事例

まずは、国内機械部品メーカーの事例です。生産データのデジタル化・見える化により自社の抱える課題解決を図りました。

課題

設備停止などのデータをリアルタイムで活用できず、不良が起きた際にタイムリーに対処できなかった

原因

データを手書きで日報に記入し、週次でExcelに集計し、そのデータを分析するという手法がとられていたから

具体策

設備停止等が発生したら、各自に配布されたipadでデータを入力
上記データがダッシュボードにリアルタイムで表示される。製造現場の大型モニター上に、過去24時間分のデータが自動的に集計され、各工程の不良発生頻度が示されるようになった

現場の混乱・抵抗

「慣れているので従来通り手書きでよい」という従業員が多く、なかなかipadでのデータ入力が進まなかった
高齢の従業員たちはipadの操作に抵抗があり、覚えようとしなかった

現場の混乱・抵抗をどのように乗り越えたか

システム会社、経営者、工場長が協力し、現場に「ipad入力でのメリット」を数字で示した(残業が減る、不要な業務の削減など)

まとめ

この事例で抵抗が起きたのは、現場の理解が得られていなかったことが原因でした。しかし、システム導入のメリットを丁寧に説明することで全員の気持ちが一致しました。ネックだった高齢従業員のipad操作問題も、システム会社の従業員が懇切丁寧に教えたことで解消されました。

デジタルトランスフォーメーション化

自動車部品メーカーの事例

2つ目は、自動車部品メーカーの事例です。AIセンサの導入による自社工場の課題解決に取り組みました。

課題

熟練者の勘と経験を頼りに抽出している改善課題を、誰でもわかるように見える化できていない

原因

分析に必要な可視化されたデータがないから

具体策

生産設備の色々なセンシング・データやイベントログを、直接データベースに送るシステムを導入することで、データが見える化された

現場の混乱・抵抗

熟練者たちの「機械なんかにわかるはずがない」という機械への不信があった。また、「システム導入後に自分たちは不要になるのでは」という根拠のない不安もあり、協力を得られなかった。

現場の混乱・抵抗をどのように乗り越えたか

システムは、熟練者たちの頭の中をできるだけ具現化・可視化したものである旨を伝えた
自動化が進んでも、熟練者の知見をシステムに反映させなければならないため、失職することはない旨を約束した

まとめ

この事例で抵抗が起きたのは、熟練者たちの機械への不信と失職への不安が原因でした。「工場の現在と未来を良くする」という考えの下、一枚岩になることができました。

AIと人間の情報伝達イメージ

【おわりに】DXは現場で起きている!

どんなにデジタル化が加速しても、工場を動かすのは生身の人間です。現場の人間の気持ちを無視することは絶対にできません。
DX化は中身ももちろん重要ですが、「現場ではどのような改善が求められているのか」「現場は納得しているか」「何があれば納得してくれるのか」を把握することが一番のポイントだと考えております。
ぜひ、製造業のDX化に携わる機会があったら参考にしてみてください。

DX関連記事:DXと製造業の可能性 課題と3つの事例を紹介

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