製造業において、「企画」「開発」「設計」された製品を世の中に提供するには、十分な品質と限られた予算で製造する必要があります。そのために生産ラインの仕組みを整え、製造にかかるコスト管理を行う生産技術職は、モノづくりにはかかせない重要な仕事です。
生産技術職の職務内容、必要な能力、仕事の魅力など興味がある方は、こちらの記事も参考になさってください。
◆製造業に欠かせない”縁の下の力持ち”「生産技術職」へのキャリアアップ転職のススメ
また、成形編・表面処理(めっき・塗装)編についてはこちらを参考になさってください。
◆【表面処理(めっき・塗装)編】製造業における生産技術職の仕事を深堀り!
ただ、生産技術職の職務といっても ・モノづくりにはそれぞれの製造方法と工程があって、具体的な仕事内容が分からない。 というような疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、製造業における生産技術の仕事の中から[機械加工]に携わる生産技術職の技術者が具体的にどんな仕事をしているのか、その内容や仕事のやりがいなどについて紹介していきます。
なお、以降は、「製造業での機械加工に携わる生産技術職の技術者」のことを「機械加工に携わるエンジニア」と表現します。
機械加工に携わるエンジニアが普段どのような仕事をしているのかを深く知ることで、機械加工の仕事はもちろん、生産技術職という仕事は、どのようなものなのかを理解することができ、今まで以上に興味を持って頂ければ幸いです。
目次
機械加工とは?
機械加工とは、工作機械や切削工具を用いて材料(金属やプラスチックなど)を目的の形状に加工することを指します。
様々な形状のものを高精度で作り出すことができるところが特徴で、製作する形状に応じて、加工方法や用いられる工作機械が異なります。 機械加工では、加工する製品によって様々な工作機械が使用されます。
以下に、代表的な工作機械を記載しますので、興味がある内容は調べてみてください。
- ・旋盤
- ・ボール盤
- ・中ぐり盤
- ・フライス盤
- ・研削盤
- ・マシニングセンタ
- ・放電加工機 等
また、工作機械については、こちらの記事も参考になさって下さい。
◆機械加工の基礎知識|加工方法や工作機械の種類を解説
https://www.agency-assist.co.jp/column/593/
機械加工に携わる生産技術職の具体的な仕事内容は?
機械加工の概要が理解できても、具体的な仕事をイメージできる方は少ないのではないでしょうか? ここでは、製造業における生産技術職の中で、機械加工に携わるエンジニアの具体的な仕事内容について、「工程管理」と「設備管理」の視点で紹介していきます。
※機械加工に携わるエンジニアの実際の仕事内容は、メーカーや業界によって異なるため、ここで紹介する内容はあくまでも一例であることをご了承下さい。
工程管理
機械加工では、作る製品によって、加工方法やそれにあった設備はどのようなものを使用するかということはある程度、決まってきます。
ただし、実際にその機械を使用する際に必要な条件、加工時間や速度、機械のモード等まで詳しく想定していることは稀で、その部分を担うのは、機械加工に携わるエンジニアです。 加工に使用する工具や機械を選定し、手順や実際の加工方法などを考えます。必要に応じて設備設計を行うこともあります。
またそれを作業者に伝えるための指示書を用意したり、作業者が作業しやすい環境を作るため、作業場のレイアウトを考えたり、作業用の治具の設計をしたりします。
設備管理
機械加工では、上で説明した工作機械や多関節ロボットといった直接加工する機械以外にも、コンベアや設備に電源やバルブ開閉に利用するエアーや温度調節のためのボイラーといったエネルギーを供給するユーティリティ設備も重要な生産設備として利用しています。
これらの点検を欠かさず行い、安定的に設備を稼働させることが、機械加工に携わるエンジニアの重要な役割となります。 近年では、こうした設備の異常をリアルタイムに把握するために、設備やバルブなどに直接センサを取り付け、そのデータを収集し、異常があれば担当者に発報することで、即座に対応できる仕組みをもたせる工場が多くなってきています。
機械加工に携わるエンジニアのやりがいとは?
製造業における生産技術職の仕事は、華やかな仕事ではないかもしれません。機械加工に携わるエンジニアもどちらかと言えば、縁の下の力持ち的な仕事です。 しかし、その中でも、 「工程の課題を抽出し、改善を加えて効率化し、目標となる生産期間の短縮やコストの削減を達成したとき」 というのは、機械加工に携わるエンジニアが仕事で得られる一番のやりがいです。
機械加工では、製造に関するデータや映像を確認しながら加工手順や、加工する冶具(ジグ)の設計等の見直し、改善案を立ててテストを繰り返し、問題がないことを確認してから導入するという改善のサイクルを回します。 状況によっては短期的なスパンでの改善が難しく、年単位になることもあります。
そのような状況でも改善に向けて、製造の担当者と一体になって取り組み、目標を達成できたときは、何ものにも代えがたい喜びがあります。
機械加工に携わるエンジニアに必要な知識や能力は?
図面を読む能力
機械加工に携わるエンジニアは、多くの種類の部品を加工することもあり、他の工程と比較し、加工できるかどうか図面をみて判断することが多い仕事です。図面を書くことができる必要はありませんが、図面を見て平面の情報から形(立体)をイメージできると仕事は進めやすくなります。
図面には、寸法以外にも、材料、表面処理、焼入れなどの指示もあり、図面によっては作業手順、必要な機械や工具、材料調達先が記載されていることもあります。
ここまで書くと難しく感じるかも知れませんが、とりあえずは最初の「形が分る」ことが第一です。それ以降は会社の決められた方法(これが企業のノウハウになっている)を自然にマスターしていきます。 専門的な分野になればなるほど、外から情報を得ることは難しいですので、知ったかぶりをせずに、何事も教えを請うスタイルが大切です。
また、工程管理で記述したような加工に使用する機械を選定や加工方法等を考え、その機能を満たすための設備設計を行うこともあります。こういった場面でも、図面を読めるのと読めないのとでは仕事の質に大きな違いがありますので、是非勉強してみてください。
安全管理技術
機械加工では、材料を削ったりするために刃物を使用しており、使用方法を間違えると大怪我を負うことがあります。そのため、製造現場の担当者が正しく安全に操作できるようすることが大切になります。
具体的には、担当者に教育することはもちろん、不安全な行動をさせないための仕組み作りを行うことがかかせません。例えば、刃物の交換で設備内に入った場合は、外から他の人は設備を動かさないようにインターロックをかけるといったこと等が挙げられます。
機械加工の仕事に携われるのはどんな業界?
製造業における生産技術職の中でも機械加工の経験者を必要としているメーカーは非常に多く、仕事のニーズは高いです。
具体的には、下記のような業界において機械加工の仕事に携わることができます。
- ・自動車
- ・輸送機器
- ・産業用機器
- ・プラント
- ・インフラ etc…
他にも様々な業界がありますので、気になる人はぜひメーカーの会社情報や求人情報をチェックしてみてください。
東海エリアで製造業に携わる
ものづくり大国の東海エリアには、大手企業やそれらの企業を支える中小企業まで、製造業が多く名を連ねます。 中でもエンジニアと呼ばれる、いわゆる技術職の求人は自動車や機械メーカーを中心に、その生産に必要な産業機械・電子部品を作る企業においてもエンジニア人材の需要が高まっています。
弊社の転職支援は、東海エリアの製造業に特化しており、多くのメーカー様から人材募集のご依頼をいただいておりますので、是非求人情報をご覧いただけばと思います。
今回ご紹介した「生産技術職 機械加工」の求人情報はもちろんのこと、製造業でニーズの高い求人を随時更新しております。
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まとめ
本記事では、製造業における生産技術の中でも「機械加工」に注目して、具体的な仕事内容やそのやりがいなどについて紹介しました。
各業界のメーカーのホームページを見ると、そのメーカーにおける生産技術職の仕事内容が具体的に解説されていたりもしますので、気になる人はぜひチェックしてみてください。
それでは、ここまでご覧いただきまして、ありがとうございました!
参考URL:
◆製造業に欠かせない”縁の下の力持ち”「生産技術職」へのキャリアアップ転職のススメ
https://www.career-on.jp/contents/3255/◆機械加工の基礎知識|加工方法や工作機械の種類を解説
https://www.agency-assist.co.jp/column/593/▼生産技術職の求人はこちらから検索できます。