製造業を目指すなら覚えたい用語を紹介！　～食品業界編～

同じ職業の集団内（業界）や、それに詳しい人たちの間で用いられる、一般に広く通じない単語や言葉のことを「業界用語」と呼びます。 意識せずとも、実はその業界特有のワードをあなたは使っているかもしれません。 今回は、食品業界でこれから勤める予定の方、勤めてからまだ日が浅い方に向けて、食品業界でよく使われる用語を紹介していきます。 食品メーカーに興味がある方も、ぜひご一読ください。

覚えよう！食品業界でよく耳にする用語とは？

◎フードサプライチェーンとは

生産者から、加工業者⇒卸業者⇒小売店⇒消費者へと、食品が届くための一連の流れのことを言います。

◎トレーサビリティとは

トレーサビリティ（Traceability）とは、製品が「いつ」「どこで」「だれに」よってつくられたのかを、原材料の調達から生産、消費、廃棄までを追跡可能にすることを言います。

◎OEMとは

OEM（Original Equipment Manufacturing）とは、自社の製品を製造する会社のことを言います。製造を受託された会社は、相手先のブランド製品を製造します。

◎PB、NBとは

PBとは、プライベートブランド（Private brand)のことで、小売店・卸売業者が企画し、独自のブランド（商標）で販売する商品のことを言います。一方でメーカーが企画し販売する商品をNB（ナショナルブランド）と呼びます。

◎JANコードとは

JAN（JapaneseArticleNumber）コードとは、商品識別番号です。国際的にはEANコード（European Article Number）、またはGTIN-13、GTIN-8と呼ばれています。

◎JICFSコードとは

JICFS（JAN Item Code File Service）とは、JANコードの商品情報データベースシステムのことを言います。

◎GFSIとは

GFSI（Global Food Safety Initiative）とは、食品安全専門家が集まり、協働して食の安全に取り組む組織のことです。

◎HACCP（呼称：ハサップ、ハセップ）とは

Hazard（危害） Analysis（分析） Critical（重要） Control（管理） Point（点）の頭文字からとっています。「危害分析重要管理点」という意味で、食品の製造・出荷の工程の中で、どのポイントで微生物や異物混入が置きやすいかという危害を、あらかじめ予測・分析して、未然に防ぐ方法のことを指します。

◎SSOPとは

SSOP（Sanitation Standard Operating Procedures）とは、衛生標準作業手順のことを言います。 衛生管理に関する手順のことで、その内容を「いつ」「どこで」「だれが」「何を」「どのようにするか」がわかるように文書化したものです。

◎ISO22000とは

ISO22000とは、ISOが策定した食品安全マネジメントシステムのことを言います。HACCPの食品衛生管理手法をもとに、食品の安全リスクを低減し、フードサプライチェーンを展開していきます。 ※ISOとはInternational Organization for Standardizationの略であり「国際標準化機構」とも呼ばれます。

◎FSSC22000とは

FSSC22000（Food Safety System Certification 22000）とは、ISO22000を追加要求事項で補強した食品安全マネジメントシステムに関する国際規格で、オランダにあるFSSC22000財団によって開発されたものを言います。

◎コンタミ/コンタミネーションとは

食品の製造工程において、異物が混入することを言います。食品におけるコンタミネーションの中でも、アレルゲンの場合は特に消費者の生命を脅かす重大な事故につながります。そのため、注意が必要です。

◎交差汚染/クロスコンタミネーションとは

交差汚染とは、病原菌の汚染度が高いものが低いものに接触することによって起こるものです。加熱済みの食品やそのまま食べられる食品の食中毒発生の主原因は、交差汚染となることが多いです。

◎ゾーニングとは

ゾーニングとは、食品の安全性を高めるため、製造工程の衛生度に応じて、区角割りをすることを言います。食品の製造工程によって、衛生度（汚染度）が異なり、交差汚染にならないために管理されます。

◎食品表示/一括表示とは

食品は表示しなければいけない6項目（名称・原材料名・内容量・消費期限または賞味期限・保存方法・製造者等の名称及び住所）が決まっていて、その表示のことを言います。 容器包装に入れられた加工食品には、必ず食品表示が義務づけられています。

◎消費期限とは

定められた保存方法の中で、表示されている「年月日」まで腐敗・劣化に伴う衛生上の危害が発生するおそれがないと認められた期限を言います。

◎賞味期限とは

定められた保存方法の中で、表示されている「年月日」まですべての品質を十分に保っていると認められた期限を言います。消費期限とは違い、期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありません。品質の劣化が比較的緩やかなもの（スナック菓子・カップ麺・ペットボトル飲料など）に表示されています。

◎食品添加物とは

食品添加物とは、保存料・甘味料・着色料・香料など、食品の製造過程または食品の加工・保存の際に使用されるものを言います。人の健康を損なうおそれのない場合に限り、成分規格や基準を定めたうえで使用されています。

◎JASとは

JAS（Japan Agricultural Standard）とは日本農林規格のことを言います。 農林物資（飲食料品・農産物・林産物・畜産物・水産物）の品質基準と品質に関する表示の基準を内容とする全国統一の規格について定めた法律のことです。

◎GAPとは

GAP（Good Agricultural Practice）とは農業生産工程管理のことを言います。 農産物の安全を確保し、寄りよい農業経営を実現するために、食品の安全だけでなく、環境保全や労働安全などの向上にも取り組んでいきます。

◎食品ロスとは

食品ロスとは、食品廃棄物のうち、まだ食べられるのに廃棄される食品のことを言います。

◎フードテックとは

フードテックとは、最新のテクノロジーを活用し、まったく新しい形で食品を開発したり、調理法を発見したりする技術のことを言います。「食（フード）」と「テクノロジー」を融合させた造語です。

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◎遺伝子組換え食品とは

品種改良技術のうちの一つです。他の生物から有用な性質を持つ遺伝子を取り出し、その性質を持たせたい植物などに組み込むことで創られた食品のことを言います。

◎機能性表示食品とは

事業者の責任で、科学的根拠を基に商品のパッケージに機能性を表示するものとして、消費者庁に届けられた食品のことを言います。

◎トクホ（特定保健用食品）とは

生理学的機能（栄養分の吸収や排泄といった身体の機能）などに影響を与える保健機能成分を含む食品のことを言います。

◎栄養機能食品とは

特定の栄養成分の補給のために利用される食品のことを言います。

◎食品衛生管理者とは

食品衛生管理者とは、食品衛生法第48条の規定により、食品衛生法施行令第13条の食品又は添加物を製造・加工する施設に配置することを義務づけられた、国家資格のことです。

◎ハラール/ハラルフードとは

食品衛生管理者とは、イスラム教の教えに沿って食べることが許されている食品や料理のことを言います。逆に、食べることを禁じられていることをハラーム/ハラムと言います。

まとめ

今回紹介した用語は、食品業界でも使用されるほんの一部です。 トレーサビリティやコンタミは別の業界でも使用される言葉でもあり、覚えておくとより理解も深まっていくかもしれません。 また、業界やその地域、会社によっても特徴的な用語がたくさんあるかと思われます。 まずはよく使う用語を覚えて、業界に対しての理解も深めていきましょう！

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